心が沈むとき、人は“出来事の意味づけ”が変わってしまう
青山カウンセリングルーム大野良実です。
前回、認知行動療法の創始者アーロン・ベックのうつの特徴とする「否定的認知の三徴」についてご紹介しました。
今回は関連して、「うつの説明スタイル」というお話についてのblogになります。
ポジティブ心理学の創始者マーティン・セリグマンは、
「人が落ち込みやすくなる理由」を
“出来事の説明の仕方(説明スタイル)” に求めました。
同じ出来事でも、
どう意味づけるかによって、
心の状態は大きく変わります。
セリグマンは、
うつ状態になりやすい説明スタイルとして
次の 3つの特徴 を挙げました。
① 永続性(Permanent)
「この状態はずっと続く」
心が弱っているとき、
人は悪い出来事を“永遠に続くもの”として捉えがちです。
・もうずっとこのままだ
・変わるはずがない
・何をしても無駄
でも実際には、
感情も状況も“無常”であり、必ず変わります。
永続性の思い込みは、
未来への希望を奪ってしまうのです。
② 普遍性(Pervasive)
「これは人生のすべてに影響する」
一つの失敗や出来事を、
“人生全体の問題”として捉えてしまう状態です。
・仕事で失敗 → 私の人生は終わりだ
・人間関係でつまずく → 私はどこでもうまくいかない
本来は“部分的な出来事”なのに、
心が曇っていると“全体の問題”に見えてしまう。
これが、心をさらに重くします。
③ 個別性(Personal)
「悪いのは全部自分だ」
うつ状態の人は、
悪い出来事の原因を“自分のせい”にしがちです。
・私がダメだから
・私の性格が悪いから
・私がもっとしっかりしていれば
しかし、現実には
出来事には複数の要因があり、
“自分だけの責任”ということはほとんどありません。
個別性の思い込みは、
自己否定を強めてしまいます。
三つがそろうと、心は沈みやすくなる
でも「気づくこと」で、回復は静かに始まる
セリグマンは、
この三つの説明スタイルが重なると
人は落ち込みやすくなると述べました。
しかし同時に、
説明スタイルは“変えられる” とも言っています。
・永続的に見えるけど、実際は変わる
・人生全体の問題に見えるけど、実は一部分
・自分のせいに見えるけど、他の要因もある
こうした“別の見方”に気づくことが、
心の回復の第一歩です。
説明スタイルは「悪いクセ」ではなく、かつて必要だった心の防衛
ここがとても大切なポイントです。
否定的な説明スタイルは、
“悪い思考”ではありません。
多くの場合、
その時の自分を守るために必要だった
心の戦略 です。
・期待しないことで傷つかないようにした
・自分を責めることで次の失敗を避けようとした
・世界を厳しく見ることで危険から身を守った
どれも、
“その時の自分が生き延びるために選んだ方法” です。
だからこそ、
気づいたときに自分を責める必要はありません。
ただ、
今の自分にはもう合わなくなってきたかもしれない
と感じたら、
少しずつ手放していけばいいのです。
まとめ
マーティン・セリグマンの「説明スタイル」は、
心が沈むときの“ものの見え方のクセ”を教えてくれます。
・永続性
・普遍性
・個別性
この三つに気づくことは、
自分を責めないためのやさしい第一歩です。
あなたの心が、
少しでも軽くなりますように。
やさしいカウンセリング案内所より
・自分を責めてしまう
・未来が暗く見える
・失敗が人生全体の問題に感じる
・心が重くて動けない
そんな方に、
カウンセリングやNLP、ヒプノセラピーは
やさしい助けになります。
あなたの心の曇りが、
静かに晴れていきますように。
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